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『英文法の謎を解く』の著者副島隆彦氏の『説得する文章力』を読んだ。ペン1本で世の中と対峙してこられた副島氏が、巷に溢れる凡百の文章読本を水平線の彼方に葬り去る傑作!

更新日:

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2013.12.09

文章術に関する本ってメガストア行けば、もうよりどりみどりな感じでなんか1冊選ぶのも大変です。最近では誤字脱字ばかりのブログ記事の方が、まともに校正経て出版されてる本よりもよく読まれてたりするそうで、特にブログ文章術の本が目立ちますね。

⬇こういうの

自分の性格人からどう言われようが、結局自分でしかいられないのといっしょで、文章術の本あれこれ読んでも最終的にはやっぱり俺流でいくしかないんちゃう|( ̄3 ̄)|ってのが私の結論かな。

とか言いつつ、いつも知的興奮に溢れる硬派な著書でおなじみの副島隆彦氏初の文章術の本とあれば、もう中身をチェックするまでもなくレジにてチーン!です。
日曜の深夜コーヒーとケーキぱくつきながらページ、シャカシャカめくって読んでいきました。

どんな濁りもピュアな真水に変えてしまうろ過装置のごとく、一点の曇もない副島氏の文章は読む者の頭の中をクリスタルクリアーにしてくれます。
この記述なんか面白いでしょ。

私はここでもはっきり書いておく。文科系の大学教授たちというのは現代の僧侶階級(お坊さま)である。温厚そうな、毒にも薬にもならないことを書く。

大学教授か(; ̄д ̄)いったん大学卒業すると、俗世間では接することもない人たちという点では確かに僧侶といっしょかも。

果てしなく事柄を場合分けして、分類作業をやって、それで研究成果と称する。誰も読めない。何を書いているのか本当は自分にもよく分からない。自分がよく分からないことを他人なら分かってくれるだろうという厚かましさは一体どこから来るのだろう。

人を説得してわかってもらおうという雰囲気ゼロな、自分一人で悦に浸った話を聞かされたり、文章を読まされたりという経験をすることはもう今の私にはないです。
自分が納得してチョイスした人の話だけを聴き、自分の感覚を通して取捨選択したマテリアルだけを使って勉強する日常があるから (︶ω︶)

副島氏のこの言葉も刺さります。

言葉はきめつけるためにある。ある言葉を選び取り決断して言ってみることこそ人生だ。それに対して、決めつけない言葉は、言葉の大切な機能を果たしていない。「〜ではなかろうか」を多用する人の文章から学ぶことなど何もない。

SNS時代となり、冗長な言葉を使って何かを発信しようにも字数オーバーとなり、必然的に言いたいことから言っていかなければならないように、デバイスの側から英語的思考を求められるようになってきましたね。

P166ページで副島氏が本多勝一氏の『日本語の作文技術』に言及されていて、

この『日本語の作文技術』は、数ある文章読本の中で、たくさんの実践的な技術が書かれているほとんど唯一の本だ。出版業界の多くの人が読んでいる。

この部分を読んで何か嬉しくなりました。確か大学入学したての頃この本に出会い、その後も幾度と無く読み返した本だったからです。

現在は新装版が出ていました。知らんかった。

本多 勝一 講談社 2005-09-10
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そしてP124の次の言葉に思わず懐かしさを感じます。

「英語(英文)とは何か。どのように作られているのか」を本気で知りたい人は、私が今からもう18年前に書いてベストセラーになった『英文法の謎を解く』(ちくま新書、1995,1998年刊、全3巻)を読んで下さい。読んで損はさせません。

もう私が思いっきり英語漬けの日々を送っていた時に読んで、強烈なインプレッションを受けた本です。
今でも大事に持ってます。

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⬇3部作全664ページ

通常の文法書のように系統立てて構成されているわけではないので、ひと通り英文法に関しての学習を終え、それなりに英文も読めてっていう人が手に取ると、色んな発見だらけでとっても面白いと思います。

もちろん文体は『説得する文章力』に掲載されている、説得力のある文章を書くための20ヶ条の6番目,すべてを断定する。にげない!のとおり、すがすがしいまでに英文法の森羅万象が、切り口鋭く脳みそに突き刺さる言葉で視覚に飛び込んできます。

『英文法の謎を解く』第2章haveについて考える&『続・英文法の謎を解く』第1章存在のbeについて考えるというとっても面白い章があるんですが、このbeとhaveにさらに深く洞察されたこちらの本も是非オススメです。

副島 隆彦 日本文芸社 2006-04
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また『続・英文法の謎を解く』付録3という章にgetの七変化論というのがあります。
getがtake,make,do,haveなどの基本動詞の代わりに使われることに着目したgetの七変化の表と、やがてこれら基本動詞がgetという動詞に収束していくのではないかというgetへの収束の表というのが載っています。

そしてこういう記述が(°◇°;)

ここでは、このgetが他の全ての主要動詞に代替できるという法則性を私なりに提起してみたにとどめる。ここからもっと多くの類似の造文実験を行ってゆかねばならないが本書ではできない。私がこの「get七変化論」を作ったのは、尊敬する松本道弘氏の『giveとget辞典』を昔、読んだからである。

副島氏の本といえば、上にあげた文科系の大学教授たちへの批判みたく、肺腑をえぐるかのような言葉を使ってのありとあらゆる権力階層への筆誅がまた魅力の一つ。(そのため副島氏の読者の本の4割が氏の敵達だそうですけど…)
なので名指しで誰かを尊敬するという副島氏の記述を見た時の記憶が今でも引っかかってました。
それも当時も今も英語好きにとっては特別な存在である松本道弘氏だったためにね⊂((・▽・))⊃

⬇こちら『GiveGet辞典』

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全298ページgiveとgetだけが使われた表現が最初から最後まで並びます。この本読んだの20歳くらいの頃かな〜っていう遠い思い出(*~▽~)

⬇松本道弘氏のGiveとGet本

ということで副島隆彦氏の『説得する文章力』から松本道弘氏へと英語ネタにつながったところでお開きに
see you again!(*ゝェ・)/~☆Bye-Bye♪


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